ジャーヘッド

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最高の生き方がある。そう信じて、僕は戦場に向かった―
現場の兵士の視点から見た湾岸戦争

原題:JARHEAD
監督:サム・メンデス
脚本:ウィリアム・D・ブロイルズJr
音楽:トーマス・ニューマン


ロード・トゥ・パーディション』は未見なのですが、サム・メンデスは言葉では言い表せない空気感を描き出すのが、ほんとうに上手だと思います。すきだ。

平和な日本国民であるところの私は戦争映画を見ても、「陰惨だ」とか「最悪だ」とか当たり前のことを思いつつ、やっぱりすごく遠くのことに感じてしまう。でもこの映画は「仮に私が戦争に行ったら、やっぱりこんな風なんだろうなあ」と考えるところまで持ってってくれました。上官も仲間もやっぱり盛り上がるのは下ネタなんだろうし、なるべく余計なことは考えないようにして戦地に赴くんだろうし、爆撃されたら凍っちゃうし、リアルに死体見たら吐いちゃうし、半年も留守にしてたら、恋人は浮気してるかもしれないし。

戦場に一番乗りするはずで、ずっと待機していたにも関わらず、射撃の腕も披露できないまま、敵地はハイテク爆撃機に破壊されてく。「結局おれっていったい何のために来たんだろー?」っていうものすごい空虚感。なんなんだ、戦争って。

音楽の使い方もすごくおもしろかったです。Public Enemyの「Fight The Power」はすごくよかった。ラストのカニエの「Jesus Walks」も効いてた。サム・メンデスが「湾岸戦争に行った若者が普通に聴いているだろうと思われる音楽が、ラップだったのです」と言っていますが、すごくいい発想だと思いました。

ジェイク・ギレンホールは『ブロークバック・マウンテン』もあるし、今年はかなり楽しませてくれそうです。


★★★★