「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」
監督・脚本・編集・原作:岩井俊二
撮影:神戸千木
美術:部谷京子
スタイリスト:申谷弘美
音楽監督:桑原まこ
3時間で、このキャッチコピー*1で、この予告ビジュアル……。
もう不安しかなかったんですが、『岩井俊二のMOVIEラボ』見て改めて「やっぱりこのひとすごく才能あるんだなあ」と感じた気持ちと黒木華さんを信じて!結果、3時間魅入られっぱなしでした。すごかった!
もともと岩井俊二作品を観るときは、なぜかきもちのたづなを強めに引いている。本作も「クッ…岩井よ……」と舌打ちした場面や「ホイホイされねえぞ!」と目を吊り上げた場面もあったのですが、それも含めて、くやしい哉、どっぷり楽しんでしまいましたねえ。綾野剛すきじゃないんだけど、爆笑しちゃったよ。あとあの結婚式!あの笑いのセンスひとつとっても、やっぱりただのお洒落映画なんかじゃないよなーと思う。
「モラトリアムのトンネルを抜ける」とか「『うそ』のことが『ほんとう』になる」とか久しぶりに味わう岩井俊二のお家芸に酔いしれ、フィルモグラフィの中でもかなり高いと思われるストーリーの推進力とふしぎな冒険譚っぷりに引き込まれ。物語が『キャロル』と似てるなーと思い、その同時代性もおもしろかったです。
★★★★