魂のゆくえ


タクシードライバー』脚本、巨匠ポール・シュレイダー
構想50年の末に完成させた❝いま❞を射抜く渾身作!

原題:FIRST REFORMED
監督・脚本:ポール・シュレイダー
撮影:アレクサンダー・ディナン
編集:ベンジャミン・ロドリゲス・Jr
美術:グレース・ユン
衣装:オルガ・ミル
音楽:ラストモード


わたしの周りでは男性の猛者しか観ておらず、その猛者たちがこぞって「凄まじい映画体験…」「米公開(2017年)時に観ていたら、受け止めきれなかったかも……」などとざわついていたので、ずーっと気になっていました。

おそらく夫も好きであろう…と思ったので、一緒に鑑賞したのですが、二人して快哉を叫びました。想像の斜め上をゆく、ハードコア・スピリチュアル映画!

色々な観方ができる映画だけれど、初見では精神の孤独性と祈りについての映画、という印象が強かった。メガチャーチ批判、社会/環境問題に対する問いかけ、など様々な側面があるけれど、「神の御心」がわからず、祈りが一方通行であるのと同じようにひとの精神など誰にもわからないし、コミュニケーションは基本的に一方通行性をはらんでいるーけれど、肉体や祈りが起こす奇跡は確かにある、あるんだよ!という面の描写に、個人的には一番心を惹かれました。

しずかな怒りと狂気に侵蝕されていくさまは、『ジョーカー』に通じるところもあるけれど、わたしは断然こっちが好きです。


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監督インタビュー、こんなに有り体に言っていいのかと思うほど笑 とてもわかりやすい。


あとは、やはりトンデモ描写がとてつもなくチャーミングだったな、と。それが肉体や祈りにまつわるシーンに凝縮されているのが、余計に胸を打つ。サイクリングや空中浮遊、ラストシーンの多幸感はちょっと忘れがたい。


他にも、地獄すぎる葬式や、刺身奮発、マグカップ飲酒にパイプユニッシュカクテル、自爆ベストのパンクスみや、キリストコス、など思わず笑ってしまう場面も多く、序盤の「このテンションがずっと続くの…?」という心配が裏切られ続ける快感は、すこぶる映画的だなと感動しました。


★★★★