クラッシュ


それはあなたも 流したことのある、 あたたかい涙。
第78回アカデミー作品賞/脚本賞編集賞

原題:CRASH
監督・原案:ポール・ハギス
脚本・製作:ポール・ハギス / ボビー・モレスコ
音楽:マーク・アイシャム


ふわぁ〜!ってなって、ぼーっとなってしまった。言葉が出ない。さっき帰ってきたのですが、寝つけない。すごく緻密に構成された群像劇であるのに、めちゃくちゃエモーショナルな映画。

人種や性差や見た目による偏見と差別。最初のうち、みんな「それを言っちゃあおしまいよ」ということをさくさく言うので、びっくりしてしまった。でもそれで「こいつ感じ悪いな…」と思っていた印象が逆方向に一気にぐいーっとひっぱられるエピソードがあったりして、もう感情を揺さぶられまくる。各キャラの美点や欠点、コンプレックスや心境がリアルなので、なんだか登場人物をどんどん好きになってきてしまう。

赤の他人のみならず、夫婦・親子・友だちの間にも埋められない溝は確実にあって、ひとはものすごく孤独だなぁとしみじみ感じつつも。なんか言葉にすると簡単すぎるけど、「クソみたいなこともあるけど、それでも人生ってうつくしい、ぶつかりまくって傷つきまくっても、ひとと関わることってミラクル」と感じさせていただきました。

もうラストの風景とか音楽とか奇跡のようにうつくしくて、鳥肌が立ちました。きっともう1回映画館に観に行ってしまうと思う。こういう映画を観るために私はお金を稼いでいるの。


★★★★★