切なくも愛おしい愛の物語。
2017年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞
第90回アカデミー賞作品賞/監督賞
原題:THE SHAPE OF WATER
監督・脚本・製作・原案:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ヴァネッサ・テイラー
撮影監督:ダン・ローストセン
編集:シドニー・ウォリンスキー
美術:ポール・デナム・オースタベリー
衣装:ルイス・セケイラ
音楽:アレクサンドル・デスプラ
錚々たるタイトルの数々。周囲の絶賛の声。デル・トロ*1おめでとう!!!と、とるものもとりあえず喜び勇んで駆けつけたのですが…。
自腹を切ってでも遂げさせた、「The Others」の逆襲とか、「ありのまま」の『美女と野獣』とか、怪獣のハッピーエンドとか、ずっと孤独だったふたつのピースがはまるロマンテッィクとか、胸アツすぎるし、"erase the lines in the sand"という授賞スピーチのフレーズには涙が出てしまうのだけど…
わかる!わかるよ!わかるんだけど!おれマイケル・シャノン(a.k.a.ストリックランド)のきもちわかるよ……と思って愕然としてしまいました。
- だいじな指が紙袋にーーーッ
- 指腐ってるのに真昼間から情事と犬を求めてくるワイフ
- 成功者にこそふさわしいキャデラックがーーー!
- 上からも下からも同類からも異類からも小突き回される
- The Power of Positive Thinking
- ホイト元帥に不在だと伝えてーー(え、来てるの?
- 私はいつまで”まとも”であり続ければいいのですか
- でもわたしは博士推しなので心が引き裂かれる
逆にわたしには愛やロマンティックがピンとこず。
- 「この愛どこからわいてきた!?」(とくに彼女→彼サイド)という情趣のへったくれもない疑問
- マイケル・シャノンに肩入れすることからくる逆差別感
- 常習的なタイムカードの横入り、に象徴されるような「仲間に便宜を図る」行動も、強者なら批判されて弱者なら許されるというのは、 ちょっと不公平な気がするよ
- 仲間(同種/ホモ)へと同じくらいの忖度を、ストリックランド(異種/ヘテロ)へも…おねがいできませんか!
- スピルバーグ/デル・トロ/駿の茶話会(白昼夢)が脳裏をかすめる
- 魚類にゆでたまごオンリーて(愛しているなら献立を!)(ほれみろ衰弱しとるやんけ!)
- ねこさんの件
衣装や美術、音楽などとても良かっただけに、そこに浸れない自分をうっすら孤独に感じた。『ムーンライト』のように孤独を感じているひとの寄る辺となるような映画であると、頭では理解できるだけに。
★★★
*1:わたくし同じ誕生日なのです!