監督・ばんざい!

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ウルトラ・バラエティ・ムービー

監督・脚本・編集:北野武
音楽:池辺晋一郎


バイトしてたこともあって、映画館はTOHOシネマズが好きで。できればTOHOで観たかったんだけど、やってないのなー。『大日本人』はやってるのに。。。ちょっとせつなかったです。
さて北野武の新作。わたしは北野映画ならたとえあんまりおもしろくなかったとしても金払うことに悔いなしと思っているので、おすすめはできません。あえてすすめるとしたら、レイト枠に深夜テンションで観てください。

個人的にはおもしろかったです。「くだらねー」とか言いながらかなり笑いました。「ギャング映画を撮らない」と公言してしまった北野武カントクが小津風や恋愛もの、ホラー・時代劇・昭和30年代ものやらを、あーでもないこーでもないと撮りっぱなしていきます。設定とかタイトルがベタすぎて笑える。小津風「定年」とかホラー「能楽堂」とか。あと随所にいろいろな映画へのオマージュがあり興味深いです。今の映画界を「型にはまってる」と風刺するかのような感もあり、たけし、ちゃんと映画愛しちゃってるじゃんか、と思いました。

というわけで後半に進むにしたがって、どんどん無軌道に、妄想垂れ流しになっていきます。でもナンセンスなエピソードの方が心に残ったりしてね。蝶天コンビが大暴れするシーンはスカッとしたし、執拗に井手らっきょが登場するのにも大笑いしました。「オシム、おれを使えー」って日本人にしかわかんないよ。

今回も『TAKESHIS'』と同じく躁な悪夢的な作りで、次はマトモなのを撮ると言ってるらしいので、次がたのしみです。最後箱庭を全てふっとばしてたしね。

そういえば本編の前にカンヌで公開された短編がくっついてるのですが、これは王道なかんじでよかったです。ラストが美しかった。


★★★