TAKESHIS'

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500% KITANO
主人公が売れない芸人・北野武と大スター・ビートたけし(1人2役)。というようなかんじでほとんどの俳優が1人2役以上を演じています。虚構と現実が交錯する構造。北野流の躁な悪夢。自作からの引用満載で相当ヒップホップ。

監督・脚本・編集:北野 武


初日初回で。キタニストなので。
ヴェネツィアでのサプライズ上映の様子やたけしのインタビューを見て、難解で殺気だってて困惑させられる作品だろう、と予想してたのですが、全然。ちょうおもしろい。ちょう分かりやすい。海外のひとはコメディアンとしてのたけしを知らないので、煙に巻かれたっきりになってしまうのは無理ない、と思った。

美輪明宏+タップ+スクラッチジャンベ+銃撃戦+女体+夢で逢いましょう)×140BPMって正気の沙汰じゃない。『マルホランド・ドライブ』に非常に通じるところがあると思いました。興行収入は見込めないと思うけど、ああおもしろかった。(だってどうやって宣伝したらいいやらわからないよ。)ここまで自身を俯瞰して、料理できるなんてすさまじい。右手にお笑いの自分、左手に役者の自分、の人形をセットして、映画監督の北野武が操ってショーにして、「どうぞお笑いください」というのはふつうで言ったら、悪趣味もいいとこだけど、絶妙なセンス。おかしくてかなしくて挑戦的。このひとにしかできない。もう1回観たい。


★★★★★