姫の犯した罪と罰。
監督・原案・脚本:高畑勲
脚本:坂口理子
撮影監督:中村圭介
作画監督:小西賢一
編集:小島俊彦
美術:男鹿和雄
音楽:久石譲
主題歌:二階堂和美『いのちの記憶』
演奏:東京交響楽団
原作:『竹取物語』
新年一発目。ウオー!やばかった…!くらくらした。
誰しもが共感できる生の喜怒哀楽をぎゅっとつめつつ、仏教的な解脱にも到達しようとする、超重量級の傑作。全編繊細な筆致に彩られた四季の描写もすばらしいとしか言いようがない。
とくに鮮やかに感じたのは、性差の描きだしかた。例えば、かぐや姫が泣く時、翁が「わかるように説明してくだされ」と言いつのるのに対し、嫗はとりあえず抱きしめる。姫の幸せについても、結果翁の理論よりも嫗の皮膚感覚のほうが正しかったりする。そんなふうに容赦なく男性の愚かさ・野暮さを描きつつも、それでも翁の愛情や捨丸のむこうみずな「逃げよう」という情熱がものすごく尊く見えるから、泣けてしょうがない。
ってな具合にものすごく感動したんだけど、同時にアレッてなるおもしろの部分もイーブンにあって…。結果、いま思い出される&もう1回観たいのは、そのおもしろの部分だったりも……。
- かかさまの「寝間のお仕度……!」
- 斎部秋田の回春と車輪のオーバーラップ
- 悪意すら感じられる帝のしゃくれ
- 捨丸兄ちゃんの女房のツラ
- すべてを超越してトロピカルな天人たち
- ラストカットの腰砕け感
もう一回観たいな……!!
★★★★