Dolls  

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監督・脚本・編集:北野武
音楽:久石譲
   

率直な感想としては、「予想外に良かった」。日本の四季や山本耀司の衣装は勿論美しいと踏んでいったんだけど、期待していなかった役者陣―特に菅野美穂―が予想外に良かったという。

菅野美穂は本当に良くて泣かされちゃいました。壊れた玩具を吹いては泣くシーンなんか本当にいじらしかった。あと気になったのは大森南朋という役者さん。チョイ役だけど妙に惹かれました。あと皆様ご心配でありましょう深キョンは、ボロを上手く隠した(利用した?)感じでオーライ。なんつっても美しいんで、それだけでDolls的にはオーケー。

設定が設定だけに引っかかるところは多々あるのだけど、この象徴的・幻想的な浪漫映画を観る際にリアリストでいるのはナンセンス。直接的な暴力描写はないけれど、常に死と破滅の匂いがつきまとう故、かえって危うい映画であると思う。That's 北野美学。

しっかし北野武は確信犯です。「こんな批判なんて予定調和なんだろうなぁ」と思うと、なんか反論しがたい一種の厳かさがあります。


★★★★