クローバーフィールド/HAKAISHA

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その時、何が起きたのか?

原題:CLOVERFIELD
監督:マット・リーヴス
製作:J・J・エイブラムス / ブライアン・バーク
脚本:ドリュー・ゴダード


Some Thing Has Found Us !ニューヨークが未確認物体に攻撃された一夜。一般人がハンディカムで記録したビデオが、政府によって保存されていたという設定。ネタバレしても全然たのしめる映画だけど、徹底的な秘密厳守と意味深な情報を小出しにしていくマーケティングは上手かったですね。あとわたしは車酔いにもポケモンショックにも無縁みたいです☆

さて、おもしろかったです!!!「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と並び評されることが多いですが、なんとわたしはTBWP未見なので、そちらも見る気がわきました。とにかく「一般人が撮影した」パニックという視点がおもしろかったです。

最初舞台はパーティーで、大音量の音楽の中、「○○と○○がセックスしたらしいぜー」的な駄話が展開されてる緊張感のなさ。そこへいきなりドカーン!外に出てみると自由の女神の首が吹っ飛んでくる、という展開。
最初のうちは撮影にも「災害ハイ」みたいなノリが出ていて、自由の女神の首を写メする人々なんかが写っている。実際にこういうことが起こったら、たぶんわたしも写メしちゃうなー。電器屋で火事場泥棒たちが両手いっぱいに盗品を抱えつつ、口をあんぐり開けて、ニュース映像を見ている、なんてシーンもうまかったです。

ヒーロー不在感もよかったです。一応メインのプロットは男子が愛する女子を助けにいくという、あえてのド定番なのですが。まずその救出グループが男、とその友だち(ややKYでポジティブな撮影者)、男の兄の彼女、とその友だち(KY野郎の想い人)というバラバラぶり。あぁ、災害が起こったとき、自分が一緒にいたい人と居られる確率の低さよ。

『ジャーヘッド』もそうでしたが、「現実は映画みたいにはいかないよなー」的な一般人の無力感・虚無感。それなりにドラマもあって、「なんとなく自分はだいじょうぶなんじゃないか」という楽観もあるのに、かなしいかな、大多数の人はふつうに死んでいく側。実際、非日常的な事態におかれたとき、現実感がわく前に人は死んじゃうのではないか、と思いました。もちろん死に方も選べないし、自分が置かれてる状況すら把握できてないかもしれない。『クローバーフィールド』もノリがだんだん深刻になり、「Oh My God!」「Jesus Christ!」が叫ばれるものの、最後まで「まさか本当にこんなことが!?」という感じが出ていたのが、よかったです。たぶんわたしだったら、あんなに行動する間もなく死んでる。


★★★