夢、栄光と挫折― それでも僕らは歌い続ける。
「ザ・フォー・シーズンズ」の半生を描いたドラマ。
原題:JERSEY BOYS
監督・製作:クリント・イーストウッド
脚本・楽譜:マーシャル・ブリックマン / リック・エリス
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス / ゲイリー・D・ローチ
ありがたや……!こういう映画が来るから映画館通いがやめられないんだよ!!ふるえるような興奮と感動。すばらしかったです。
まず、なにしろ音楽の力が画面中にみなぎってる。ボブの歌声に1パートずつメンバーが呼応していくあの瞬間、ぶっつけ本番の電話越しのトライアルに、プロデューサーの顔色が思わず変わる瞬間、カーテンがサッと開いて、ホーン隊が入ってくる「Can't Take My Eyes Off You」のあの瞬間―、心の中で吠えまくりでした。駆け出しの頃の初々しさと一糸乱れぬダンス&コーラスのまぶしさよ!挫折を乗り越えた後のたたずまいの重さ・渋さ・枯れっぷりよ!
人物描写も過剰に寄りすぎないけれど、トミーの見栄やだらしなさにも、ニックのコンプレックスやナイーヴさにも、ボブの価値観やマイペースさにも、フランキーの男気や筋の通し方にも、きちんと共感できるようなつくりになっていて、胸が痛くなりました。
イーストウッドをどんどん好きになっている気がする。長生きして、撮り続けてほしいです。
★★★★★