五感を揺さぶる衝撃、魂を満たす至福。
2009年に逝去したドイツの天才舞踊家ピナ・バウシュの世界を、ヴィム・ベンダースが3Dで撮影したドキュメンタリー。「カフェ・ミュラー」「春の祭典」「フルムーン」「コンタクトホーフ」の4つの舞台のほか、ピナが芸術監督を務めていたドイツ・ヴッパタール舞踏団のダンサーたちのインタビューとダンスを収録。
原題：PINA 3D
監督： ヴィム・ヴェンダース
ウオー！おもしろかった。映画というよりアトラクション。ちょうアガる体験でした。もう映画としてどうこうっていうよりも自在にからだを使いこなしてるひとたちの躍動感が強烈にきもちよく。ふつうに舞台を観ていたのでは観ることのできない角度からのカットもあいまって、ますます身体感覚に訴えかけてくるかんじ。また、「ダンスを観てくれればわかる！」と言わんばかりの、ヴッパタール舞踏団のダンサーたちの、ピナの魂を受け継いだダンスが、言葉より何よりすべてを雄弁に物語っていて。ピナはほとんど出ないけど、ダンサーとしてのピナの魂が、痛いくらいにビリビリ伝わってくる。
音楽×ダンス×ロケーション（さらには衣装や色彩感覚）の取り合わせもすばらしくて、感じ入りました。自然の中や街中でふつうに踊るので、鑑賞後しばらくは、街を歩いているときなんかにふと映画の残り香を感じるようなことがあって、それがすごくよかったです。映画が身体に残ったかんじ。３Dにした意味か。
★★★★★
