スケッチ・オブ・ミャーク

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歌うことは神とひとつになること
生きる願いは声となり、神へ届く
魂のありか「ミャーク(宮古島)」への旅
土地の言葉で「ミャーク」と呼ばれる宮古島。今や絶滅しかけているアーグ(古謡)と神歌の存在、またそれを歌い継ぐ人々の姿を追ったドキュメンタリー。

監督・製作・撮影・録音・編集:大西功一
原案・監修・整音:久保田麻琴


おもしろかったし、なんだかくつろいだー。いまの宮古島の現状とかスピリチュアルな側面とか興味深い部分はたくさんあったけど、なにより歌という存在の捉えかたが一番おもしろいテーマだった。

「父さん起きて」とか「妻を娶ったのですが・・・」とか「これはどの器に盛ったら映えるかしら」なんていう日常に即した歌を聴いていると、いまの歌が強迫的に聴こえる。ミュージカルを「不自然」というひとがいるけど、実はその時々にわいた感情を気負うことなくメロディにのせるのが本来の歌であって、やれ恋愛だの人生哲学だの自己顕示だのと特化したテーマの歌ばかりが氾濫していることのほうが、よほど不自然なのかも? などと思いました。

基本、神性は女性に託されているけど、巫女のリーダーは「どの男の妻か」で選ばれるっていうのもおもしろかったし、数少ない男性の見せ場では、(なぜか)スーツを着たおっさんたちがそろっていっしょうけんめい踊ってる姿がとても良かったです。この祭り、行きたい!


★★★