ドキュメンタリー 森達也 出演 佐村河内守
誰にも言わないでください。衝撃のラスト12分間。
監督・撮影:森達也
プロデューサー:橋本佳子
撮影:山崎裕
編集:鈴尾啓太
いやー、おもしろかった!脳の体操になった〜〜〜!
佐村河内さんを擁護する映画というより、「わかりやすさ」を思考停止で受け容れることに警鐘を鳴らす映画/複数の視座を用意することで、「さぁ、この問題をこの視点から考えたことあったかい?」と思考を挑発するような映画、でした。
夫婦のふしぎ、聴覚障害者の音の捉えかた(欠落した音楽!)、マスコミのモラル、世間の圧、作曲とは 著作権とは―、興味深い視点がいくつも提示され、その度に脳がぐぐーっと回転するので、ドキュメンタリー自体は淡々と進むけれど*1、決して弛緩しないし退屈しない。
とくに、夫婦のふしぎを体現する妻の香さんの存在感は、ちょっと忘れがたい。あのケーキ。おそらくむちゃくちゃで、なくても意思疎通がとれそうな手話。一貫して佐村河内さんに干渉しない姿勢。閉めきられているのにどこか居心地のよさそうな部屋。
個人的には、ゴーストライター問題が取り上げられるまで佐村河内さんのことを知らなかったし、その後も「消費者は曲が良くて買ったんだし、新垣さんだってお金もらってたんだし、何が問題?」程度の興味しかなかった。
この映画は、佐村河内さんの主張をうのみにはできないけど、チャーミングに撮れていることはまちがいない。
イギリスのEU離脱があって、日本は参院選をひかえていて、タイミング的にバッチリだと思いました。今回の選挙、むずかしいなぁ……。*2
関連記事:
https://ginzamag.com/archives/4975
http://miyearnzzlabo.com/archives/37228
http://www.webdice.jp/dice/detail/5136/
http://bylines.news.yahoo.co.jp/iidaichishi/20160615-00058863/
https://newrepublic.com/article/121185/japans-deaf-composer-wasnt-what-he-seemed
★★★★