M.ナイト・シャマランが仕掛ける「アンブレイカブル」の”その後”―
原題:GLASS
監督:M.ナイト・シャマラン
2019年映画初めは、だいすきないつメンと organ前に。
『スプリット』も同じメンバーで観たので、2018年映画〆のときにすでに約束を交わしていました。
さてさて、よかったわー。好きだわー。とにかくやっぱり、このひとは「物語」の強さを信じているひとなんだなぁとぐっときました。
全ての人間の存在意義や可能性を問う、「人生のすべての道程に意味がある」とするような実験映画、という点では、『15時17分、パリ行き』を思い出したりも。
そして、映画ってすき間(=かわいげ)がないとな、と改めて思いました。最近の映画、全方位的な気配りと情報の密度がすごすぎて、漂白された感じにぐったりしてしまうことがある。不特定多数の人が何回も観ることを想定した物語より、たったひとりに向けてつくられた物語のほうが強いってことあるよなぁ、と『シュガー・ラッシュ オンライン』と比べたり、同じくシャマラン作品である『レディ・イン・ザ・ウォーター』を思い出したりもしました。
その点シャマラン映画のチャーミングさたるや!
以下チャームポイント
- ライト導入でお気軽にマカヴォイへの負担がwww
- ヘドウィグがドレイク推しにw
- 3人が一堂に会したときの「これどーすんの…」感
- 何度でも律儀に服を着脱するビースト
- あらゆる角度から映し出されるマカヴォイの四足走行
- ケイシー叔父が刑務所行きになっているという情報をきちんと開示してくれるところとかマジ信頼できる
基本、肉弾戦頼みでロングショット、というヒーロー映画セオリー無視の地味で平坦な撮影の意味が、CGに慣れ切ったわたしたちに、見逃しているかもしれない「奇跡」や「神話」の可能性を提示する。ほんと情熱家でロマンティックな監督ですよ。好感を持たざるをえない。
★★★★