メリー・ポピンズ リターンズ

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ディズニー史上 最高のハッピーを―。
彼女の魔法は、美しい。

監督・製作・原案:ロブ・マーシャル
原案・脚本:デヴィッド・マギー
編集:ワイアット・スミス
プロダクションデザイナー:ジョン・マイヤー
衣装デザイナー:サンディ・パウエル
音楽製作総指揮・音楽監修:マイク・ハイアム
歌曲・音楽:マーク・シェイマン
歌曲:スコット・ウィットマン


優先させるべき作品は他にもあったけど、いまはただただ満身創痍で、切実に魔法を欲していた…。
ロブ・マーシャルにすがるのも、オリジナル版を暗記するほど観過ぎているのも、不安だったけど、行ってきました。

結果、自分としてはかけがえのないものをもらいつつも、残念ポイントも多く、一長一短が極端な作品だったなと。
基本的にはさすが大ネタの続編だけあって、リスペクトを持ってよく練られた作品だと思いました。テーマに始まり、キャラクター、台詞、旋律やアイテム、アニメーションとの融合、などオリジナル版を継承しつつも、父親像なんかは今の時勢向けにアップデートされていてよくよく配慮されているなーと感心しました。*1

ダンスシーンはロブ・マーシャルの力点見えすぎて笑ってしまうほど、楽しくてすばらしかったけど、欲を言えば子どもでも即コピれるようなキャッチーでかんたんな振り付けがあっても良かったかなと思う。
楽曲面については、VHS擦り切れるまで聴かないと、オリジナルと比較するのはフェアじゃないかな、と思っています。でもbowlとholeなどそこここにちりばめられた楽しい韻踏みや歌詞の内容は素晴らしかったと思います。


△最高ポイント

  • 衣装!!!
  • "The Place Where Lost Things Go"
  • 点灯夫たちのシルエット~"Trip a little light fantastic"エンド
  • 踊り出す ディック!ヴァン!ダイク!(92歳)
  • "Practically Perfect"とつぶやくエミリー・ブラントの表情

▼冷めポイント

  • 長い。テンポが悪い。特に前半の現実パートはひどい。
  • 子どもたち良い子なんだけどキャラが弱い。身長はかってくれー!
  • 実弾解決 必要か?
  • ディズニー史上、最高のハッピーなら、ドース甥のあの顛末はナシ
  • エミリー・ブラントがものすごくきれいに撮れてる時とものすごくごつく撮れてる時の差が激しい
  • ジュリー・アンドリュースの澄み切った高音をどうしても期待してしまう自分


最高ポイントでは5億点でてるんですが、冷めポイントもわりとクリティカルなものが多いんだよな……。

たぶんタイミングが違っていたらもっと辛口だったかもしれないけれど、大切な人を亡くしてしまったタイミングで、"The Place Where Lost Things Go" を映画館で聴けたことには感謝の念が大きいです。めずらしくちょっと逡巡した様子で唄いだすメリー・ポピンズが、まだ混乱と恐怖のさなかにいる自分を慰撫してくれる歌でした。


★★★★

*1:仕事一徹の厳格な父親→ワークライフバランスや家計、子らへの接し方に悩めるイクメン