カモン カモン


君の話を聞かせて
突然始まった甥っ子との共同生活。
戸惑いと衝突、想定外から生まれた奇跡の日々。
ホアキン・フェニックス主演×マイク・ミルズ監督×A24製作
アカデミー賞常連チームが贈る最高に愛おしい物語


原題:C’MON C’MON
監督・脚本:マイク・ミルズ
撮影監督:ロビー・ライアン
編集:ジェニファー・ベッキアレッロ
美術:ケイティ・バイロン
衣装:カティナ・ダナバシス
音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー


とにかく撮影がうつくしかった。世にもうつくしいホームビデオのようなモノクロの映像は、ちょっとこちらに思い出補正すら意識させるほど全編やさしくて愛おしい。
「そのひとのすべてを理解する」ことをあきらめるということ、そのうえで「対話する」ことをあきらめないということ。内容がblah…blah…blah…であっても、第三者や台本に頼ったとしても。これは映画内のインタビューが示唆するように、家族にとってはもちろん、世界全体にとっても良い方向へ向かっていくために必要なメッセージだなぁとしみじみ尊かった。

しかしマイク・ミルズの目線のせいもあるけれど、わたしにとっては出てくる人々がみんなもれなくりっぱすぎて、ちょっと「生きててすみません…」という気持ちが顔を出したのも事実。
とくにわたしはやはり母ヴィヴに思い入れて観てしまったのだけれど、「9才でまだこんな感じなのか…?おまけにパートナーも……?しかもこのおじしか頼れない感じ………??」と胃が悲鳴をあげそうになってしまった。それであのネット台本みたいな会話日常的にできるの神すぎんか?「クソ人生へようこそ」は笑ったけども。

ジョニーも確執があった妹の子に対してこんなにジェントルな対応ができるなんて……。親でなくておじさん、という設定が良かったし、わたしは親戚に自分に似ているひとやこんな関係値のひとがいないので、とてもうらやましかった。まぁ、わたしならあの歯ブラシ大喜びで買っちゃうけどね!


★★★★