ザ・ホエール


僕は信じたかった。
異色の室内劇×壮絶な心震わすヒューマンドラマ
第95回アカデミー主演男優賞

原題:THE WHALE
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:サム・D・ハンター
撮影:マシュー・リバティーク
編集:アンドリュー・ワイスブラム
美術:マーク・フリードバーグ、ロバート・ピゾーチャ
衣装:ダニー・グリッカー
音楽:ロブ・シモンセン
原作:サム・D・ハンター

ブレンダン・フレイザーをはじめ役者陣の演技はすばらしかったと思うのですが。
ごめんねぇぇぇ!チャーリーすっっっごく嫌い!!このキャラをブレンダン・フレイザーのチャームで糖衣してるの本当に腹立つ!!!

そもそもチャーリーの言動は今後も続く関係を想定していなくて…。元妻、娘、生徒、すべて言い逃げ。彼らはチャーリー劇場の舞台装置じゃないから。リズとの関係性の複雑さ(まぁお互いをアランごと真空パックしたい共依存だけど)はとても味わい深かったのに、この一番濃い絆に対する仕打ちよ……。"Sorry"と口では言うけれど本当に思ってたらそんなことしないよね?という行動ばかりが目につく。自分をだいじにできないひとは他人もだいじにできないってこと??

そんな人にいくら「きみはすばらしい」と言われても響くわけないよ。(自分が言ってほしい言葉を並べてるだけのようにも見えたし、そもそも娘のこと「作品」と呼ばわる親なんて全く信用できない。)てかなにちゃっかり二度目の超弩級のトラウマ負わせようとしてんだよ。邪悪な娘よ、やつが死ぬのを後悔するくらいキレッキレの返ししてやんなと思えば、あっさり牙を抜かれて舞台装置になり下がる始末。がっかり。(もう最後はチャーリーの願望というか射精に見えたし、もしかしてオナニーに始まりオナニーに終わる映画だった?)

わたしはトーマスも全く救われていないと思うし、結局この映画の「人は人を救えない」ということはいやというほどわかりました。「人は人を気にかけるからすばらしい」とか言ってたけど、こんな関わり方されるのなんてお断りだよ。ただ密室劇としてとてもおもしろくはあったし、人の意見が聞きたくなる映画だとは思う。*1


★★

*1:いろいろな人の感想を読んでみたけれど、だいたいの人が感動したり泣いたりしていて、またわたし一人が怒ってるのか!もうイヤー!となりました。わたしやっぱり怒りっぽいのかな?