母さんは、15歳のボクのことを“彼女たち”に相談した。
1979年、ボクたちの特別な夏がはじまる。
監督自身の母親をテーマに描いた、母と息子のラブストーリー
原題:20TH CENTURY WOMEN
監督・脚本:マイク・ミルズ
撮影監督:ショーン・ポーター
編集:レスリー・ジョーンズ
美術監督:クリス・ジョーンズ
衣装デザイナー:ジェニファー・ジョンソン
音楽:ロジャー・ニール
音楽監修:ハワード・パール
っしゃーーー!キタキタキター!というこの感じはスパイク・ジョーンズの『her』とおんなじ。マイク・ミルズの呪いにかけられているのに、映画にはあんまりピンと来ず苦しんでいたところに、ようやくおれの観たかったやつがきた・きた・きた!
映画を観ているあいだよりも、終劇後にじんわり「良かったなぁ……」とあたたかい余韻が広がる映画でした。親しい個人を撮ったホームビデオのようで、フェミニズムの包括になっていて、「モラトリアム」「夏休みの終わり」を写していながら、クロニクルでもある。
監督自身の母親が投影されているドロシアの描写に、あふれんばかりの愛が感じられてすばらしい。演じるアネット・ベニングの笑顔のつよさよ。
わたしも 55才になっても 仕事して、流行りの音楽で踊って、ビルケンはいて、子どもの髪ブリーチするぞ―とふしぎとパワーがわいてきた。そして、わたしも 後世の女子たちが歩きやすいようにほんのすこしでいいから道をならしたいぞ―とそんなことを思った自分にびっくりしました。
トドメに「あなたは外の世界のあの子を見ることができる。うらやましいわ」というドロシアの言葉は、新米母のわたしにぐっと刺さりました。
★★★★★