her / 世界でひとつの彼女


人生にときめく、AI。
声だけの君と出会って、世界が輝いた。
第86回アカデミー脚本賞

原題:HER
監督・脚本:スパイク・ジョーンズ
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集:エリック・ザンブランネン / ジェフ・ブキャナン
美術:K・K・バレット / ジーン・サーデナ
衣装:ケイシー・ストーム
音楽:アーケイド・ファイア / オーウェン・パレット / カレン・O


ecrn award 90sのコメントにも書いたのですが、スパイク・ジョーンズの呪いにかかっているわけですよ!なのに映画にはあんまりピンと来なくてあせっていたわたし。それがここにきて!これがおれの観たかったスパイク・ジョーンズ、ってやつがきた・きた・きた!

とにかく甘酢!過剰までの詩情とロマンティック。恋愛にまつわるすべてのときめきとせつなさとうつくしさとはかなさを凝縮しようとするかのような映画でした。全編会話でひっぱる映画なのに退屈させないところにも舌を巻きました。*1


同志と見つめる朝焼けは、『ロスト・イン・トランスレーション』を彷彿とさせたし、奇抜な設定で時空を超越した愛を描くところは、『ベンジャミン・バトン』を思い出したりしました。どちらも特別すきな映画。



他にも含蓄あふれるせりふだったり、おしゃれなシャツだったり、女優陣がどこかソフィア・コッポラを思わせる造形だったり、ぐっとくるディテールにあふれた作品でした。ひとりで観るつもりだったんだけど、ひょんなことから夫になるひとと一緒に観れたのもあいまって、じぶんにとって特別な映画になったような気がします。


★★★★★

*1:欲を言えば、もうちょっと短くてもいいけど