デイヴィッド・バーン × スパイク・リー
一生に一度の、至福の体験!
原題:DAVID BYRNE'S AMERICAN UTOPIA
監督・製作:スパイク・リー
製作:デヴィッド・バーン
字幕監修:ピーター・バラカン
デイヴィッド・バーン × スパイク・リー オーバー60のパワーに圧倒されてしまった!ダンスも音楽も楽器(とくに打楽器!)も大好きなので、楽しくて泣きそうになった。
グレーのスーツに裸足、というドレスコードに象徴されるように、相反する要素が有機的に繋がっていく。スタイリッシュでパワフル、シニカルなユーモア、脳内と身体、自己と他者、日常と非日常、ミクロとマクロ、人生への憂いと賛美、プロテストソングかつ鎮魂歌。
うまく言語化できないけど、わたしはクストリッツァ『アンダーグラウンド』とちょっと似たヴァイブスを受け取った。
わたしはとくにダンスが好きなので、ダンサーに注目しがちなのですが、このショーは演奏家も踊るし、ダンサーも演奏するのがすごいな、と思いました。音楽のプリミティブな楽しさってそういうところだよな、というのが感覚的に伝わってきた。メイクもとてもかわいかったなぁ。
ショー自体がとても洗練されていて、完成されているので、どの部分をより強く引き出すか、というのが監督の手腕にかかってくると思うのですが、熱気やメッセージ性が色濃く反映されていたのが、スパイク・リー印だな、と。
また、ショーの観客のほとんどが白人の中年だったので、そこにもスパイク・リーが撮る意義を感じたけれど、願わくばアジア系一人は入っていてほしかったな、と。趣旨からはずれることはじゅうじゅう承知だけれど、この世界(またはアメリカ)に、白人と黒人しか存在しないような一抹のさびしさを感じてしまった。
★★★★