ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り


原題:DUNGEONS & DRAGONS: HONOR AMONG THIEVES
監督・脚本:ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー
脚本: マイケル・ジリオ
撮影:バリー・ピーターソン
編集:ダン・レーベンタール
美術:レイモンド・チャン
衣装:アマンダ・モンク
音楽:ローン・バルフェ
原案:クリス・マッケイ 、マイケル・ジリオ


全然映画観に行けないんだが……。なんかこう世間の常識的には子が入学すると「ほら、お子さんも落ち着いたことだし」という雰囲気で、ビジネス的にも時短がなくなる前提だったり。自分もうすぼんやり「小学校になったら落ち着くのかぁ…(小1の壁なにそれ?)」とか思っていたのですが、自分の子が小学生になって思うことは、社会は全くそのようにデザインされていないということ。いきなり翌週平日昼間に保護者会とかぶちこまれるんですけど!?amazonあるんだからできるよね?的な急な持ち物準備とか、おそろしいほど親に課されるチェック事項。加入必須なライングループ。習い事も平日夕方のスケジュールに自動移行。え?待って?保育園最高。保育園戻りたい。(夕飯なんにしよ?山本ゆりさーん!)わたしは自分のお猪口キャパに絶大なる自信があるので、ほぼ自分の裁量で進められて融通のきく職場に転職してから子どもを持ったのですが、それでも「聞いてないよーッ!」と頭を抱える日々です。(調べろよ)

愚痴が長くなったけど、そんなわけで「映画で失敗したくない…」というド保守なスタンスになりがち。亀のようにちぢこまるわたしに各方面の信頼できる友たちがこぞって薦めてくれたのがこの作品でした。
D&Dの知識皆無で、鑑賞後にようやく「『ストレンジャー・シングス』のアレか!」と把握したくらいの弱者ですが、十二分に楽しめました。

薦めてくれたみなさんは「やれやれ…だから言ったじゃん…」という感じかもしれないけど、「絶対に好きなやつ!」と推されて完全に「絶対に好きなやつ!」だった。失敗のチャンピオンが率いる最高のチーム!「失敗することを止めたら本当に失敗してしまう」というメッセージは、いまのこどもたちに贈ってあげたいとても現代的なメッセージだし、金ローで全こどもに観てほしいよ!

キャラ造形も現代的で良い。女性陣が接触型パワー系を担当するのかっこいい。チートなセクシーパラディン。専業主夫の小人(ブラッドリー・クーパー!)。そして主人公は吟遊詩人!?武器リュートなの!?

この時点でめちゃくちゃすき。
チームのメンバーはみんなはぐれ者でかわいくて愛おしい。このメンバーで「負け犬たちのワンスアゲイン」をやるんだからぐっとこないわけないのよ。各々が成長し、だんだんとチームになっていく様子がとても自然で、それだけで感極まってしまった。メンバーの技や作戦、チームでのミッションが成功するとシンプルにうれしくなってしまう。

ソフィア・リリスかわいいかわいい。


メンバーみんなだいすきだけど、とくに主人公のクリス・パインと、つよくて食いしん坊で情が深いミシェル・ロドリゲスとの関係性が尊かった。『シャン・チー』なんかでもとても良かった、ヒーロー映画におけるさわやかな男女間の友情に育児が絡んでくるなんて!まさにあらゆる意味で最高の「戦友」を描いてくれたと思う。


ヒュー・グラントが小悪党をウッキウキで演じているのもたまらない。最近こっち方面に活路を見出してるの信頼しかない。


尊いチーム、鑑賞後に画像検索しがち。


巷で言われるように『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にかなり近い鑑後感なのはまちがいないけれど、よりライトで子どもも観やすいと思いました。ただ、ここぞという時に「最高の曲来い!」と思ってしまったので、わたしは骨の髄までジェームズ・ガンに洗脳されてる。


★★★★