ちょっと思い出しただけ

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"ある1日"だけで遡る、ふたりの6年間ー


監督・脚本:松居大悟
撮影:塩谷大樹
編集:瀧田隆一
照明:藤井勇
録音:竹内久史
美術:相馬直樹
装飾:中村三五
ヘアメイク:酒井夢月
スタイリスト:神田百実
振付:皆川まゆむ
劇伴:森優太
タイトル・宣伝デザイン:大島依提亜
助監督:相良健一
主題歌:クリープハイプ「Night on the Planet」


定点観測だいすき…。まちがいさがしのような前半の繊細な描写が一番どきどきしたかもしれない。

一番ぐっとくるのは、二人の言葉が通じないのは最初から存在した要因で、どちらかが変質したからではないこと。「感性/非言語/自己」のひとと「理性/言語/他者」のひと。それでも二人のはじまりはそれが逆転するのがまぶしい。照生が言葉を尽くし、葉が唇をふさぐ。

個人的には『愛なのに』と連続で観て、結婚に至る/至らない組み合わせが「わかる」やつだったのもおもしろかった。『花恋』の2人がタイミングさえ合えば「あり得た」感じがあるのに対して、『愛なのに』の瀬戸&ほないこか、この池松&伊藤は絶対に「ない」のよ~。たとえ「群を抜いてヘタ」でも中島歩と「夏、はじまりましたわ」屋敷なんだよね~~~。
主演の二人はどちらも好きなんだけど、演技巧者すぎるのか逆に浸れなかったりもして、このカップルに最後まで現実感が持てなかった。*1写真で見る二人はもれなく最高なんだけどな。

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いろんな角度から観れる映画だと思うけど、年齢のせいもあるのか自分には苦味成分が刺さった。ちょっと思い出しただけ、っていうレベルじゃないじゃん……?今まで甘酢を打ちにいってたけど、苦みを打ちにいくのもやぶさかではない……(?)


★★★★

*1:個人的には池松&河合優実の方がリアリティあった