監督・脚本:黒沢清
撮影:古屋幸一
編集:山崎梓
助監督:成瀬朋一
照明:酒井隆英
録音:反町憲人
美術:安藤秀敏
スタイリスト:清水奈緒美
音楽:渡邊琢磨
恐怖に耐えきれる自信がなかったので、夫についてきてもらいました。
無添加濃縮黒沢清ーーー!3大怖いものを詰め合わせないで!わたしたちがふだん意識の埒外に置いてなんとか日常生活を送れている、その薄皮一枚をはがさないで!というファン垂涎の短編でした。
- 半透明の遮蔽物と蠢く影
- 噛み合わない会話
- 伝播する狂気
- なんかいやな地形
- 全てが少しずつ暗い/早い/多い/大きいなど「ずれ」で感じる不穏と違和感
- 主人公もサイコパス
- もう料理教室に行ってみたい気持ち0
ゾッとしつつもけっこう笑ってしまうシーンも多かった。ある意味一番読めない松岡の田代に対する反応や地獄の面接、なんでまたこの料理教室に来れるんだよ!という女性の顛末。
一番怖かったのは妻のシーンかな。最も安全であってほしいはずの家庭、最も心が通じていてほしいはずの相手。だからこそ感じる圧倒的な恐怖。こんな顔、映しちゃダメだって……。
一方で橋を駆けるシーンの映画性にしびれたり、と監督の力量に圧倒させられっぱなしでした。45分でここまで作家性を魅せられる監督は稀有なのではなかろうか。一生ついていきます!
濱口監督との対談、おもしろすぎるよー。来月には早くも新作『Cloud』が控えていて、楽しみすぎる…!
★★★★★