マリー・アントワネット


恋をした、朝まで遊んだ、全世界に見つめられながら。
ダイヤとシルクとケーキに囲まれた、ひとりぼっち
第79回アカデミー衣装デザイン賞

原題:MARIE ANTOINETTE
監督・脚本:ソフィア・コッポラ
撮影:ランス・アコード
編集:サラ・フラック
衣装:ミレーナ・カノネロ
音楽:ブライアン・レイツェル


やれ薄い軽いとの前評判を聞いていたので、どうなるかと思いましたが、よかったです。

わたしがソフィア・コッポラさんに求めているのは結局孤独の描き方なのかなあと思うのですが、『マリー・アントワネット』でもぐっときたのはやっぱりそこでした。

誕生日パーティーで朝まで散々バカ騒ぎした後、外に日の出を見にいくシーンがあるのですが、ここがわたしにとってのクライマックスでした。消費できるものは消費しつくして、取り巻きにも囲まれてて、でもほんとに大切なひとは不在な中で、清冽な空気と共に見る朝日の描写からもう絶望的な孤独感とでもその孤独からくる妙な安心感みたいなものが伝わってきて最高でした。
だからその後、ひとりでお風呂の中でひざを抱えるシーンとかなくてもよかったし、その後の展開も正直わたしには「もういいや」だったのですが。(ラストは同じ理由で好きだったけど)

あとはけっこう笑っちゃいました。ラテン系に囲まれるマリーとかロハスに生活するマリーとか、フェルゼンのギラギラしたまなざしとか。ジョシュ、ヘイデンに続いてジェイミー・ドーナンも絶妙なキャスティングでした。


★★★