青春なんて、消耗品
つまらない日常に倦んでいる女子大生4人組が、春休みのフロリダ旅行に全てを賭ける!ダイナー強盗でさっくり資金調達し、旅先でドラッグ&セックス漬けの毎日を楽しむ4人だったが、麻薬ディーラーの男エイリアンとの出会いをきっかけに裏社会へと足を踏み入れていく。
Spring Break Forever, Bitcheeees!!!
原題:SPRING BREAKERS
監督・脚本:ハーモニー・コリン
撮影:ブノワ・デビエ
編集:ダグラス・クライズ
音楽監修:ランドール・ポスター
音楽:スクリレックス / クリフ・マルティネス
一服してから来いって映画だったなー。ドラッグムービーに、青春といまのユースカルチャーをドバッとまぶした、へんな映画。極彩色の画面といい、ゆらゆら揺れるカメラワークといい、ほぼ2度以上くり返されるせりふといい、完全にキマってるソレ。
「ここではないどこかへ飛び出して、ありのままの自分でいられる場所を探す」「楽しかった時間が終わりをむかえ、イノセンスは失われるけど、代わりになにかを手に入れて帰る」という青春映画のひな形をグイッとハードにツイストさせてるのがおもしろい。
春休み=こどもでいられる時間が終わり、おとなへの階段を登る、という意味では、全然ルックはちがうけど、『奇跡』を思い出したり。
春休みに留まりつづけようとするおとなの造形は、『ロード・オブ・ドッグタウン』とか。
ロード・オブ・ドッグタウン コレクターズ・エディション [DVD]
- 発売日: 2009/11/04
- メディア: DVD
ジェームズ・フランコ as エイリアン
ヒース・レジャー as スキップ
脱落したブレイカーズ2人がそれぞれどこか虚ろな目でバスに乗って日常へ戻っていくのに比べて、残ったブレイカーズ2人の帰還は圧巻。まっすぐに前を見据えながら、真っ赤なスポーツカーを運転して帰ってくる。スーパークール。そもそも実質的にスプリング・ブレイクをスタートさせた2人がケツをもつ、ってつくりもぐっとくる。
倒れたジェームズ・フランコの視点から描かれる2人の巣立ちが切なくてまぶしすぎる。ラストの美しさはちょっと忘れがたい。
★★★