レイチェルの結婚

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家族の運命を変えたあの出来事。人生最良の日に明かされた秘密とは―
レイチェルの結婚式に出席するために、治療施設を退院した麻薬中毒患者のキム。そこで噴出してくる家族の過去、家族の問題、家族の愛憎。

原題:RACHEL GETTING MARRIED
監督:ジョナサン・デミ
脚本:ジェニー・ルメット


「今まで作られた中で一番美しいホームビデオ」を目指したという。デジタルカメラを持った友人、もしくは一家がその死に苛まれている人物の幽霊でもいいーによってすべてのシーンが撮られたように見える映像。おぉ〜なるほど。
淡々としたドキュメンタリータッチながらも繊細でていねいな手つきで、時にあたたかく、時に目も当てられない、家族もようが映しとられています。

おかげで観るひとの家庭環境とか兄弟構成によって、感じかたもがらっと変わる映画なんじゃないか、と思います。わたしは奇しくもレイチェルと同じ立場(一応長女。年近な妹と年の離れた弟)で、かつバランサータイプなので、長女心が爆発して、「もー!みんな勝手して!!」とやきもき。キムのひとりで傷ついてるかんじ、シニカルなものいい、尖りかたやナーバスさ、自己顕示っぷりに「このクソガキ!!」と。さいわいわたしの妹はできた妹ですが、こんな妹いたらたいへんだよー。でも家族ってどうしようもなく選べない。

結婚式ってつくづく妙な集会なんだけど、やっぱりふしぎに胸打つものだなあ、とじんわりしました。特にレイチェルの結婚式は音楽にあふれていて、音楽の力ってすごいなーと。わたしは新郎のうたにぐっときてしまいました。雑多な参列者たちが各々酔ってごきげんになっていく様子なんかもていねいに撮られていておもしろかったです。



★★★★★