ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

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説明不要の劇場版4部作の第2部。

総監督・原作・脚本:庵野秀明
監督:摩砂雪 / 鶴巻和哉


まずは客層チェック。
街中では女の子のエヴァファンも多く見かけていたのですが、
劇場内は圧倒的な男子率。子ども連れもちらほらいて、冷や汗。だいじょぶかなー。トラウマにならないかなー。公開2週目だけど、拍手出てました。わたしのとなりの男子は泣いてました。

やっぱりすごかったー!!!もう1回観たい!きっと観てしまう。とにかく圧倒的なビジュアル力。もー最初から最後までドキドキワクワクしながら観ていました。エヴァのあの躍動感はなにごとか!映画がもっている原質的な興奮を味わった気がします。使徒のあのきもちわるさといったら!スピルバーグが泣いて喜びそうです。

あとは成長した登場人物(a.k.a.庵野監督)に対する感慨。これも最初から最後までずっと。なので興奮と感慨が並行しているという、なんだかよくわからない精神状態で見守っていました。
庵野監督についてはオタク的な偉大さはあんまり知らなくて、『監督不行届』のイメージが1番強かったりするんだけど、安野モヨコと結婚したことで大きく変わったんだなあと思いました。


旧作が孤独感や現実と悲愴なまでの必死さで戦っていたのに比べて、新劇場版はもう基本的に他者と関わっていく覚悟を決めている。旧作を観てなければ、「よくできた子だな」と不審がってしまうほどに。「トンネルぬけたんだね・・・カントクくん・・・」とまぶしいものをみるように目を細めて観てしまいました。なんだかちょっとさびしいような気もするけど。


江國香織さんが『いくつもの週末』のなかで、結婚について書いているくだりを思い出したり。

少し距離のある関係の方が"comfortable"で素敵だ、というふうにしか考えられなかったのに、いいえ結婚をするのだ、わずらわしいことをひきうけるのだ、ともに現実に塗れて戦うのだ、と(中略)私をあのしずかな場所ー完結した場所ーからつれだしてくれたというその一点において、私は夫に感謝している。


その点、新キャラ・マリはカントクDNAからはずれているから、トリックスターとしていいスパイスになっていたように思います。明らかな異分子。ちょっと不穏なかんじ。登場シーンおいしすぎ。ポップコーンを食べる手が思わず止まりました。

早く「急」観たいよー。てかその前に「破」また観ちゃうよー。


★★★★★