マイ・エレメント


この世界では、違うエレメントとは関われない。

原題:ELEMENTAL
監督:ピーター・ソーン
製作総指揮:ピート・ドクター
脚本:ジョン・ホバーグ 、キャット・リッケル 、ブレンダ・シュエ
編集:スティーブン・シェイファー
音楽:トーマス・ニューマン
エンドソング:LAUV


いよいよ夏休みも中盤戦。宿題、お弁当、仕事、思い出、娘の希望/わたしの罪悪感、など諸々のバランスを微細に調整しながら、はじめての夏休みを攻略中です。夫が転職したばかりでバタバタしているため、難易度高めのソロプロジェクト。基本的には娘に週2日学童へ(息子にはフルで保育園へ)行ってもらい、週1で有休を取って夏休みっぽいイベントを。週2日の在宅勤務の日に、宿題&2人で楽しめそうな映画や展示へ(もちろん仕事は別途進行)、というスケジュールで落ち着いています。

というわけで、本作も娘(&妹)と鑑賞。娘はポケモンが好きなので、ポケモンの夏休み映画があれば鉄板なのだけど、2023年は公開なし。夏休み映画で「観たい!」となったのが、『君生き』と『マイ・エレメント』だったのだけれど、前回の『君生き』ではまさかの離脱。今回は背水の陣。「できれば娘にも映画を好きになってほしい」というスケベ心もある。いつも散々ディズニーに文句言ってるけど、たのむよピクサー

結果、よかったー!親も子も楽しめたー!ストーリー的には起こる事件や展開、スピードなど、とても小さくて地味な作品だなぁと思うのだけれど、しみじみ良かったです。

大人の目線で観ると、まず入国やファイアタウンの描写から移民二世の話だとすぐわかる。監督自身の物語をベースにしているだけあって、とてもキュートでチャーミングなラブストーリーだった。元素(人種)間のカルチャーギャップや親子関係の違い、貧富の差など、とても現代的でリアリティがあり、「こんな親子/カップルいそう~!」感がすばらしかった。ふたりがはじめて触れ合うシーンやブルーファイアを守るくだり、旅立ちでの伏線回収など、王道中の王道をきっちり最大級のエモを乗せて描いてくる、堅実な作品だと感じました。

子どもの目線で観ても、やはり色彩がきれい。火と水のコントラストに加え、光と反射のうつくしさ。形を変え続ける火と水の表現も楽しかったです。

ただ、やはりあくまでメタファーを汲み取ってこその、大人向けの作品かなぁとは思いました。主人公の年齢も高めだし。子どもに訴求するにはダイナミックさが希薄というか……。設定はファンタジックだけど、物語はちょっと現実臭が強すぎて、子どものうちはもうちょっと夢があるやつ見せたいな、と。優等生タイプの子には響くかもしれないけど、うちの娘は天上天下唯我独尊タイプで、もともと親の言うことなんて気にしてないしさ……。

あとは、親子関係にやっぱりちょっとモヤりました。クンジョルのくだりで全て良し!という着地になっているけれど、娘をちゃんと見ていたら接客向いてないってわかるじゃん!あの子明らかにクリエイターの資質じゃん!娘が何度か「ダメな娘でごめんなさい」と謝ったり自己嫌悪に陥ったりするシーンがあるんだけど、娘悪くないじゃん!悪いの親じゃん!ってちょっと下がりました。お母さんが恋愛至上主義なのもなんだかなーなーなー。


★★★